第8回 なぜ高い声が出せないのか?
“そもそも「声」なんてものはない ”
またまた何を言い出すんだ!
と思うかもしれませんが、
騙されたと思ってやってほしいことがあります。
本当にノドが楽になりますから。
どんなにがんばっても高い声が出ない、声量もない
無理に出そう出そうとしてノドを傷める。
これぜ~んぶ原因は、
がんばりが足りないわけでも
ノドが弱いわけでもありません。
“空気”が足りないんです。
ただ単純に
「しゃべり声(ただ声帯を鳴らす)」と
「歌声(声帯も含め全身で共鳴させる)」を履き違えてるんです
つまり、そもそもやっていることを
間違えてしまっているんですね。
「声」とは肺から出た「空気」が
気管(気道)を伝って声帯を通り抜け、
口から出た「音」のことです。
したがって、よくイキナリ「声」だけ出そうとする方がいますが、
材料(空気)も通路(気道)も確保できていない状態では
とてもとても無理なことなのです。
だから、仕方なく声帯を打ちつけてノドを傷めたり、
必要以上に力を込めて疲れちゃったりするんですね
。(しかも一定以上に力を入れると余計に声は出ません)
逆に、しっかりと空気を通して口から出せれば、
音(声)が出る準備は整います。
人間の身体は、構造上そうなっていますので、
それを理解するというのは良い発声をするうえでの近道といえるでしょう。
「空気が主役、声は脇役」
そう思って空気メインで発声してみてください。
コツとしては極端に空気をいっぱい吐きながら
そこに声をのせるイメージです。
ついつい声を入れた瞬間に空気を使わなくなってはダメですよ!
あくまでも一緒にです。
そしてまさにそれをお腹で行うのを
「腹式呼吸」といいます。
でもそこまではボイトレの中でも
“ブレスコントロール”という分野です。
その空気をうまく胸部で
「振動」させて響きに変換し、
声を出すことを本当の「発声」といいます。
ですから
そもそも「声」なんてものはない
空気が振動して音になったもの
それを歌声と呼ぶだけ
そう思って発声すると実にノドが楽になります。
そのコントロールができて
はじめてR&Bのボイトレに入っていけるのですが、
まずは自分の息をしっかりとコントロールしてそれをつかって歌ってみましょう。
音圧が上がっていくはずです。
ぜひお試しあれ!